弦から受ける影響

最終更新: 11月13日


 ロック全盛時代にもギターカッコイイ!と思ったことはあまりなく、どちらかと言えば全体のサウンドを聴く方だったので、ベースやドラムはギター以上に興味を持っていた。ロックギターは自分には弾けそうもないので気持ちが近づかなかったとも言える。でもギタリスト誰が一番好きかと問われれば、今でも迷わず”ジョニー・ウィンター”と答える。

 私が音楽を始めた70年代中頃は未だ今のようにどこに行ってもドラムやアンプがあるわけではなかった。ドラムのように多くのパーツを運んだ上に組み立ててというまでの気概と体力は無かった。憧れつつも仕事の道具でもあるのでそう簡単には手を出せなかった他の楽器だが、どうしてもギター以外の角度から音楽を見てみたいと、エレキベースを2012年から練習を始めた。ギターと構造も同じこともあり、必要なのは体力とそのセンスだった。

ベース弦について

 ありがたい事に周囲の先輩ベーシスト達にいろんな情報を貰った。特に弦は、鳴る大元であり、また楽器との相性、音楽内容、バンド編成などによっても選択が変わる。数種試し辿り着いたのは、オーストリアの弦だった。バイオリン〜コントラバスやエレキギターの弦も作っているこのメーカーの、繊細な耳を持つ技術者の姿が伺える。美しい振動が楽器の反応を繊細にする。柔らかくバランスの良い音だ。しばらく使っていたが、1セット他社製の未使用弦があったので、この3ヶ月ほど張っていた。オーストリア製がミディアム仕様とすれば、他社製はハード仕様、つまり太い弦だ。筋力トレーニングと思えば毎日弾くにはこの方が良い。しかし、その音質は私にとっては辛かった。私は不器用なので自分で決めたメソッドを何年も繰り返して練習する。スケールは本当に自分に浸透するまで弾き込むことによって、初めて弾きたいメロディを弾くときに違いが出る。正確さ、安定性、合理性、美しさなど様々な要素を満たすべくする練習だが、その時に楽器や弦から出ている音色・音質は奏者に決定的な影響を与える。良い音が出ている時は捗るし、その時の動作も印象良く覚え、楽器を弾くに必要な多くのセンスが培われる。3ヶ月経ってオーストリア製に戻した。ベースはこんなに良い音だったのかと思わされた。他社のは安価で広汎に売られ人気だが、金属原料の高騰もあってか、刻々質が下がっていることはギター弦全般を通しても感じていた。


ギター弦

 オーストリア製同社のエレキギター弦も秀逸だ。ダイナミックレンジ広く、倍音豊か。拙作「músicas (ムジカス) / 廣木光一」のレコーディングでギブソン・スーパー400とMoon ”Koichi Hiroki Model”に張っている。その後出会ったアメリカ・ユタ州で作られるエレキ弦は、とにかく音が綺麗、現在はもっぱらこれを使っている。ガットギターにはドイツ製の弦。これは近年其処此処でお聴き戴いてる音色。

 総じてどれも割高だが、音が良いので奏者に力みを与えず、従って悪い癖も付かず、そして寿命が長い。品質良く、メーカーの意図も伝わってくる。ピックは30数年間セルロイド製を使ってきたが、最近は数ある新素材の中から音の柔らかいものを選んでいる。ピックは錆びないので、いつも「これだ!」と思い込みたくさん買うので売るほどある。

ベース弦>Thomastik Infeld Vienna ”1IN344”

エレキ弦>Thomastik Infeld Vienna “BB114”

エレキ弦>SIT “F1252 LIGHT”(2107年現在使用中)

ガットギター弦>HANNA BACH “Silver200”

ピック>D’Addario “Duralin Wide-Medium (.85mm)”


Johnny Winter, ギターも声もブルースそのもの!


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